院長メッセージ

2013年の調査開始以来、2015年まで増加を続けてきた沖縄県18施設がん登録数が、今回調査の2016年はじめて減少に転じました(2015年10,385件、2016年10,310件)。

当院も、2015年517件、2016年485件と減少しており、減少に転じた施設は、当院を含め9施設です。この減少した要因は何なのか、がんセンターの分析を待ちたいと思います。当院でいえば、前立腺がんの登録数の減少が主たる原因と考えられます。

当院の部位別登録数を見ますと、上位の疾患のうち、前述の前立腺がんに加え、肺がんの登録数も若干減少しました。結腸、乳房、直腸、膀胱は増加しています。

年齢階級をみますと、2015年まで当院は、70-79才の層が最も多く、次いで80歳以上、60-69歳の順でした。2016年は60-69歳が最も多くなっています。60歳以上の患者の割合を見ますと、全国が76.4%、沖縄県が73.0%なのに対し、当院は83.0%と高くなっています。症例区分別では、初回治療終了後の割合が、全国7.1%、沖縄10.4%に対して、当院では20.4%と高い傾向にあります。

来院経路別では、自主的受診は、全国8.4%、沖縄県13.8%に対して当院は17.4%と高く、また発見経緯別では、がん検診・健康新案・人間ドックの割合は、全国16.0%、沖縄県14.7%、当院12.3%でした。がんセンターの分析では沖縄県では全国に比べ、がんを早期に発見することができていない可能性があるとのことですが、当院もその状況にあると推測されます。従って、人間ドックをはじめとする健診をさらに拡充し、また、がんを早期発見のする重要性を地域の皆様へ啓発する活動を強化する必要があると思います。

各医療機関と協力し、沖縄県のがん治療の発展に寄与できるよう努力します。琉球大学医学部付属病院がんセンターのスタッフの皆様のご尽力に感謝します。

医療法人沖縄徳洲会 南部徳洲会病院
病院長 赤崎 満

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