院長メッセージ

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターはこども部門と成人部門の両方の機能を併せ持つ全国的にも特徴ある病院として2006年4月に旧那覇病院から移転、開院しました。こどもから大人まで「大切な命を守り、県民に貢献する」病院、を理念としています。高度急性期、小児・周産期、救命救急、離島医療など、幅広い分野で医療サービスを提供しております。

当院の診療科は50診療科(成人部門32診療科、小児部門28診療科)あります。血液腫瘍内科においては造血器悪性腫瘍(各種白血病、悪性リンパ腫、多発性骨腫瘍など)を中心に悪性から良性までの血液疾患の診療に当たっています。平成29年度から血液内科専門医が2名になりました。小児血液・腫瘍内科は、小児がん白血病研究グループ(CCLSG)、日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)等の全国規模の研究組織に参加し、最新の治療を実践しています。平成30年10月には小児腫瘍の病床を4床増やしました。また、琉球大学医学部附属病院の小児科と連携して、ソーシャルワーカー、保育士、心理士、チャイルドライフスペシャリスト、ボランティアなどが協力し、病児とその家族を支援する体制をとっています。

2016年10月に新しい放射線治療装置(エレクタ社製バーサHD)を導入しました。放射線治療の精度が高くなり、肺がん、乳がん、食道がん、直腸がんなどの一般的な放射線治療に加えて、肺腫瘍や肝腫瘍に対する体幹部定位照射(ピンポイント照射)、前立腺がん、原発性脳腫瘍、頭頚部がん等に対する強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度の放射線治療を行なっています。

当院の院内がん登録は2010年より開始され、年間登録数が約500件で推移しています。2016年の登録数を年齢階級別の割合でみると、0~9歳までが4.6%であり、全国の0.2%と比較して高いことがわかります。10~19歳についても2.3%(全国0.3%)と高率になっています。部位別登録数では男性が結腸、肺、皮膚の順で多く、女性では皮膚、乳房、結腸となっています。患者の居住別では、南部保健医療圏が全体の86.8%を占めており、次いで中部保健医療圏の4.1%となっています。

当院はがん診療拠点病院の指定は受けておりませんが、成人部門の悪性腫瘍全般にわたって診療を行うことができます。2017年4月には婦人科腫瘍専門医も赴任しています。また、小児がんについては琉球大学医学部附属病院と連携し治療の中心的な役割を果たしていきたいと考えています。

沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
病院長 佐久本 薫

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