院長メッセージ

大浜第一病院は、214床の急性期病院として、設立50周年を節目に2009年に那覇市天久に新築移転し、地域の中核病院として、救急医療・急性期医療から慢性期医療まで幅広く診療を行い、さまざまな症状の患者様に寄り添う医療を提供しています。

当院は、2010年より地域がん登録を開始しておりましたが、院内がん登録の実施までに至っておらず、2016年より、届出が義務化となった全国がん登録の実施を機に院内がん登録全国集計へ参加することになりました。また、全国集計へ提出することにより、今回、沖縄県院内がん登録集計報告書への参加も可能となりました。

当院の2016年のがん登録件数は139件で、2014年は95件、2015年は121件と、年々増加傾向にあります。部位別では、大腸(結腸、直腸)が31.0%を占めており、続いて肺・皮膚がそれぞれ11.5%という結果でした。性別でみると男性は大腸(結腸、直腸)、前立腺と続き、女性は大腸(結腸、直腸)、に続き膵臓が多くなっております。5大がんからみると、大腸、胃、肺は多いですが、肝臓、乳房が少ない傾向にあります。年齢階級別では、全国・沖縄県他施設は60・70歳代が多くなっておりますが、当院は80歳以上が37.4%と、高齢者が多く占めております。

症例区分別では、全国や沖縄県他施設と同様に「自施設診断・自施設初回治療開始」の割合が73.4%と多いですが、当院は、「診断のみ」も22.3%と多くなっており、来院経路別が、「自主的受診」が39.6%と多くあがっているのを見ると、何らかの症状があり受診してがんと診断され、治療のため他施設へ紹介している割合が多いのも当院の特徴かと思います。特に、肺に関しては、大腸に次いで多い件数であるものの、症例区分の半数が診断のみで他施設に紹介となっています。ですが、肺と同件数の皮膚に関しては、「自施設診断・自施設初回治療開始」が100%で、自院にて診断から手術までの一連の流れが確立しております。また、件数が多い大腸については、内視鏡検査にて診断し、腹腔鏡下手術にて治療をするのが多い傾向があります。当院は、健診センターも併設しておりますので、発見経緯別で、「がん検診・健康診断・人間ドック」が14.4%となっており、健診等でがんが診断された場合に、外来受診へ移行出来るような連携体制を図っております。

当院は、院内がん登録実施している沖縄県他施設と比べると、病床数が少ない病院のため、がん登録件数も少ないですが、今回、「沖縄県院内がん登録集計報告書」へ参加できたことにより、他施設との比較が可能となり、自院でのがん治療の状況が把握することができました。この資料を今後の当院での取り組みに活かしていきたいと思います。

医療法人おもと会 大浜第一病院
病院長 大城 康一

ページのトップへ