院長メッセージ

北部地区医師会病院は、沖縄本島北部名護市にある一般病床、地域包括ケア病床、回復期リハ病床を有する病院です。それに加え健康管理センターを併設していることにより、検診を通してがんの早期発見にも力を入れている地域がん診療の中核病院です。現在、主に消化器・呼吸器・乳腺・甲状腺・皮膚の領域でがん診療を行っています。放射線治療装置を有していないこともあり、治療は内視鏡や手術による切除、化学療法が中心です。当院で治療が難しい領域に関しては、琉球大学医学部附属病院・県立中部病院・那覇市立病院等の拠点病院などに治療を依頼しています。そして、泌尿器や耳鼻科を有していないため、その領域のがんは、同じ医療圏である県立北部病院と連携し対応しています。

当院における2016年のがん登録件数は251件であり、昨年の295件より減少しています。年齢階級別で見ると60歳以上が約74.1%を占めており、全国や沖縄県と比べると80歳以上が多い傾向にあります。部位別では、大腸、乳房、肺の順に多くなっています。その他の部位では、膵臓の登録が増加しています。その要因として非常勤の膵臓専門内科医の協力もあり、内視鏡での診断精度の向上がその一因であると思われます。

「症例区分別」の登録では自施設で診断・治療を行っている割合が73.7%と高くなっています。この結果は当院の診療科が少ないながらも、検査と治療が一施設で行うことができる専門性の高さを示していると思います。

 「来院経路別」では全国、沖縄と比較し、自施設での他疾患経過観察中の発見比率が高い傾向でした。
当院の健康管理センターでは北部地域の住民検診・企業検診・人間ドックの多くを担っています。よって、「発見経緯別」では、がん検診や一般健診で発見される方が多くなっています。特に、大腸と乳房に関しては、その傾向があります。離島や精査機能を持つ病院がない市町村も多く、そういった地域では健診ががんの発見に大きく寄与しているものと思います。

北部医療圏における「部位別治療件数」を見ると、対応可能ながん種の多くは圏域内で治療されています。

2017年4月より、当院に琉球大学附属病院から皮膚科の常勤医が派遣され勤務しており、多くの皮膚科関連の癌を発見し治療しております。また、名護市内の血液疾患の専門クリニックでも、白血病などの血液疾患の治療を行なっています。少ない医療資源の地域ではありますが、病院と診療所の連携で地域の不利性をカバーできればと思います。しかし、がんの患者さんを多く診療している中で、看取りを始めとする様々なニーズに対応しきれていない部分があります。その思いに対応すべく、病院と連動したがん患者の在宅医療について計画しています。

これからも、地域の保健医療に関わる方々、病院・診療所と連携し、地域のがん診療のネットワークを構築することで、地域の患者さん・ご家族のご期待に応える所存です。

公益社団法人北部地区医師会 北部地区医師会病院
病院長 諸喜田 林

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